文殊菩薩
文殊師利菩薩といい永遠の昔から大菩薩であった。
という話が多くの経典の中に説かれています。それによりますと、永遠のむかしから大菩薩であった文殊さまは釈尊が過去世に於いて、まだ子供であったとき指導したといわれています。またお釈迦さまだけでなく過去に現れた総てのほとけさまは、文殊さまのおかげで仏さまになる事ができたのです。
したがって文殊菩薩さまは総てのほとけさまの父であり母であるともいわれています。
文殊さまはお釈迦さ様の左側(向かって右側)に座り智・慧・証の徳を司る菩薩さまです。
普賢菩薩
文殊菩薩さまとともに釈尊の脇侍(わきじ)として右側(向かって左側)に座ります。
文殊さまは智慧を代表する菩薩であるのに対して普賢さまは普賢行願のなかで普者廻向といって自らが得た、総ての功徳を総じての衆生にふりむけその安楽と成道を願って私達を導き加護して下さる威神の力をもった菩薩であります。
観世音菩薩
お釈迦さまは法華経の説法をしている中で法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五にこの菩薩を観世音と名づけた理由を説き、観音は大慈悲心の体現者とされ、あらゆる苦悩を救う力があり、衆生救済のために三十三の化身を現じて法を説くとされています。
観自在菩薩ともいい文字通り人々の生業や此の世の事は自由自在にお見通しです。人々から救いを求められれば、それが、どんな状況であっても対応できる様に姿も形も必要な持物も、また手が足なりければ千本でもといった具合になんでも用意して衆生を救って下さるという、実に慈悲深い菩薩さまであります。
勢至菩薩
勢至菩薩さまの事は観無量寿経に「智慧の光をもってあまねく一切を照らし三途を離れしむる無上力を得たり、ゆえに菩薩を号して大勢至と名ずく」とあります。
つまり地獄に堕ちないよう煌々(いくいく)たる光をもって私達衆生を導き救って下さる菩薩さまです。阿弥陀三尊として中央に阿弥陀如来さま、向かって右に観世音菩薩さま、左に勢至菩薩さまとして三尊の大徳をもって衆生を加護して下さる一人であります。
地蔵菩薩
バラモンの神話の中に出て来る地天(地の神)を称し、この地蔵とともに日蔵・月蔵・天蔵などを、星宿の神として崇めていました。
日本では観音さまと同じように数多くの民話にでてくるたいへん親しみのある仏さまです。
お地蔵さまのお経は地蔵菩薩本願経・地蔵十輪経・地蔵王経などがありますが、中でも地蔵本願経に説かれている十益のように、現世利益(げんせりやく)を中心にした、例えば土地豊穣・家宅永安・先亡生天(死んでも天界に生まれる)また現存益寿と申して
「この世ではずっと良い命で長く生きる事ができる」と説いて、一切衆生を教示し守護して下さる菩薩さまでございます。